教育現場にビジネスを融合させ、一人ひとりの可能性を開花。トモノカイが注力する「放課後支援部門」とは

新学習指導要領の導入により、プログラミングやアクティブ・ラーニングが必修科目に加わるなど、大きな変化に直面している教育現場。
そんななか、「放課後支援部門」では、中学・高校に向けた学習支援を行っています。

民間企業ながら学校の現場に深く入り込み、新たな教育の可能性を追求する「放課後支援部門」。

具体的な取り組みや目指す未来はどのようなものなのでしょうか。

今回は、教育業界未経験からトモノカイに中途入社し、部門長を務める河合に話を聞きました。

「事業の可能性」と「社員の人柄」が決め手で入社

――前職ではIT企業で運用・保守コンサルティングをしていたと聞きました。なぜ転職を考えたのでしょうか?

30歳を機に今後のキャリアを見つめ直したことがきっかけです。

新卒から7年間在籍した日本ヒューレット・パッカード株式会社では、購入後の製品やサービスをよりよく使っていただくためのコンサルティングを行っていました。お客様と中長期的に関係性を深めていける業務にやりがいを感じていましたね。

ただ「大企業の看板が外れてもはたして自分は社会に価値を生み出せるのだろうか?」と不安を感じていた時期でもあって。

大企業ならではの金額や責任の大きい仕事に携われる醍醐味はありましたが、分業化された一部分ではなく直接事業に関われることをしてみたいと考え、転職活動を始めました。

――トモノカイへ入社を決めた理由は何でしたか?

大きく2つあります。1つ目は豊富な大学生データベースに事業の可能性を感じたこと。2つ目は、選考中に謙虚で誠実な社員の人柄に触れ、直感的に合いそうだと思えたことです。

IT業界とはまた違う、社会貢献性がより高い教育の分野で手触り感のあるビジネスに挑戦したいと思い、入社を決断しました。

「学習メンター」が生徒に伴走。他社に類のない「放課後支援部門」の強みとは

――現在所属している「放課後支援部門」では、どのような事業を行っているのでしょうか?

中学・高校向けに、放課後の学習をサポートするプログラムを企画運営しています。

塾や予備校の講師派遣サービスとは異なり、現役難関大学生を「学習メンター」として採用し、親でも先生でもない「ナナメの関係」から生徒さんをサポートできることが特徴です。より近い立場で伴走して、生徒さん一人ひとりの可能性や興味関心を引き出すことを大切にしています。

現在は15名の社員と4名のアルバイトさんのほかに「学習メンター」である多くの大学生とともに働いています。(2021年4月時点)

チームは、学校様へのソリューション提案を行う「営業チーム」と学習プログラムをつくる「企画運営チーム」、「学習メンター」の採用育成や事務を支える「事業推進チーム」といった構成です。まだ小さな組織なので、双方が連携しながら事業領域や規模の拡大を目指しています。

――事業の独自性はどのような点にありますか?

まずは多くの優秀な大学生がパートナーとして我々とともにプログラム運営に携わってくれていること。そして、学校様の課題に応じて内容をカスタマイズできることです。

成績の底上げだけでなく、進学や中長期的なキャリアプランへの支援、学問そのものの面白さを感じてもらえるコンテンツの提供など、プログラムは30校あれば30通り。

例えば、偏差値上位校ではジュニア数学オリンピックの問題を解いてもらったり、勉強が苦手な生徒さんが多い学校では、まずは友だちと一緒でもよいので自習室に来てもらうことを目標に施策を打ったりしています。

――事業を運営するなかで、印象に残っているエピソードを教えてください。

現場で、生徒さんの変化を目の当たりにしたことですね。

以前、プログラム導入先の学校様で、勉強意欲が非常に低い生徒さんをサポートしていました。放課後支援で「学習メンター」と関係を深めるうちに「政治経済について語りたい」「数学の微分積分をもっと学びたい」と自分から発信してくれるようになったんです。

学校のクラス単位ではやり切れないきめ細やかなサポートによって、生徒さんの可能性をさらに引き出していけるのだと実感しました。

また生徒さんの変化を感じていただいた先生方から、人事や経営に関わるような悩みを相談してもらえるようにもなりました。現場の目線に立って支援すればするほど、学校様との信頼関係が築けていくのも非常に嬉しいですね。

――現場目線を徹底しているからこその瞬間に立ち会えるのですね。コロナ禍では学校の現場にも大きな変化があると思いますが、どのような影響がありましたか?

新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年3月~4月は、どこの学校様も一時休校となり、放課後支援のあらゆるプログラムも停止せざるを得ませんでした。

このピンチに対し「放課後支援部門」は、持ち前のフットワークでオンライン対応のプログラムを組み上げ、4月頭には提供を開始しました。

これにより、なかなか接点をもてなかった遠方の大学生と繋いだり、今まではできなかった登校前や夜間のサポートに対応したり、オンラインならではのサービスを生み出せたと思います。

授業が再開してからは、オフライン・オンラインを並行して提供するように。その実績から「コロナ禍での教育体制」について学校様からのお問い合わせも増え、新たな事業の可能性を感じているところです。

「ゼロから生み出す」ことを楽しめるかどうか

――社内のメンバーは仕事にどのようなやりがいを感じていると思いますか?

「裁量をもって働ける」「企画からしっかりと事業に携われる」という声は多いですね。私自身もそういったことを望んで入社しましたが、まさに実感しています。

その理由は、各校の課題に応じて達成すべきゴールやKPIを設計するところからコミットできる点にあると思います。

教育現場では偏差値をわかりやすい指標として取り上げがちですが、生徒さんの成長はそれだけでは測れません。真のKPIを追求していくのがミッションでもありますね。

――難しいミッションを成し遂げるための工夫を教えてください。

どの学校様に対しても、まずは相手を理解するために努めること。やはりそれに尽きますね。

民間企業の教育サービスに不安を感じている先生方も多いです。放課後支援プログラムを導入いただくためには、根拠や定量的なデータの提示も大事ですが、第一の目的は生徒さん一人ひとりの成長であるということを心に刻んで提案するようにしています。

――今後の展望を教えてください。

各校への支援を通じて確かな手ごたえを感じていますが、トモノカイの存在はまだまだ知られていません。学校様への地道なアプローチで認知度を向上していくとともに、核となるサービスの磨き込みをしていきたいと思っています。

まずはしっかりと首都圏の学校様に価値を出して、少しでも多くの学校様、生徒さんに貢献していきたいです。そして、その先の構想としては大きく2つを考えています。

1つ目は、現在のメインフィールドである首都圏から全国展開していくこと。実際に関西圏や地方の中高学校でもプログラムの導入・運用が始まっており、今まさに着手しているところです。

2つ目は、放課後のサポートやプログラム開発にとどまらず、学校のカリキュラム設計や授業の評価基準をつくる支援です。ディスカッションやレポート発表などの探究活動に対する評価基準として「ルーブリック」が注目されています。トモノカイとしても新たな教育の可能性を追求していきたいと思っています。

将来的には、学校における人事上の課題解決にも取り組んでいきたいですね。我々にできることは大いにあると感じています。

――事業の大きな可能性を感じます。どのような方がこの仕事で価値を発揮できそうでしょうか。

お伝えした通りこれから取り組むべきことは多いですが、事業の仕組みはまだまだ発展途上です。足りないものを嘆くのではなく「無いならつくってしまおう」と楽しみを見出せるかどうかは大きなポイントだと思います。

教育業界の経験や知見はもちろん活かせますが、現場に立てば自ずと身につくもの。知識よりも根本に「一人ひとりへのリスペクト」や「人の成長を信じる心」が備わっていることも重要です。

教育現場に閉じず、さまざまなプロたちと協力していくことでよりよい社会に繋がっていくと信じています。そういった意味で、業界未経験の方でも非常に楽しめる環境だと言えますね。