生徒の「知りたい」に応えて楽しく学べる教育を作るために

学生が各自でテーマを設定して主体的に学びを進める「総合的な探究の時間」。この探究活動をサポートするサービスを中心に、学校のパートナーとして教育課題の解決を目指している西條さんにお話を伺いました。

【目次】

西條さんのプロフィール

〈トモノカイ入社まで〉学生時代から教育にのめり込む

〈現在〉学びの楽しさを知って欲しい

〈今後の展望〉中高生が生き生きとして、その結果日本全体が元気になる。そんな未来を本気で作りたい

西條さんの1日の業務スケジュール

西條さんのプロフィール

所属部門:学習デザイン領域 探究サポート事業

職種:プログラムディレクター/営業/事業開発

〈トモノカイ入社まで〉学生時代から教育にのめり込む

――トモノカイに入社するまでの経緯を教えてください。

学生時代の原体験から教育に関わりたいと思い続け、大学でも教育学を専攻していました。そんな中、実はトモノカイに関わるようになったのは大学1年生からです。その時は、東京に来た修学旅行生が東大生・早大生と関わる「大学体感プログラム」というもので勤務をしていました。その時中高生と大学生が交流する中で、生徒の目の色がどんどん変わっていくのがとても印象的で、学業を忘れるくらいのめり込みました。2年生になってからは学校の教室で生徒の自習をサポートする放課後学習支援事業にも携わるようになり、3年生では放課後学習支援事業の関西拠点の立ち上げにも関わっていました。卒業後もトモノカイで何かやりたいとは思っていましたが、ビジネスパーソンとしてより高い価値を発揮するために、まずは自分自身がスキルを身に着けたいと思い、教育系のスタートアップに入社しました。

入社後はAI教材を活用した直営塾の立ち上げに関わっていました。ただ、塾は成績を上げることが目的であることに対してモヤモヤすることもあり、サービス業としての私教育ではなく公教育、特に学校に関わりたいという思いはずっとありました。もっと本質的な教育をやりたいと思っていた時に高校で新しく必修化された「総合的な探究の時間」に魅力を感じました。そんな中、トモノカイの役員と面談をする機会があり、探究のサービスにチャレンジできる環境があったため入社をすることに決めました。

〈現在〉学びの楽しさを知って欲しい

――所属している学習デザイン領域とはどのようなことをしているのですか?

学習デザイン領域には主に三つのサービスがあります。一つは放課後学習支援事業という大学生が高校の放課後の自習室での勉強を学習メンターとしてサポートするものです。二つ目がグローバル教育事業として留学生との交流イベント等を実施するものです。そして三つ目が、私が携わっている、「総合的な探究の時間」において大学生が探究メンターとして生徒の探究を伴走する形でサポートするものです。学習デザイン領域全体として学校改革パートナーになるために、数多くの大学生という優秀な資源を活用ながら、学校の課題に応じて適切なサービスを提供する、学校向けの総合商社のようなイメージですね。

――ビジネスと公教育は両立するのでしょうか?

難しいチャレンジだとは思っています。ただ良い教育を作るためには、ビジネスとして公教育にアプローチできる永続的な仕組みが必要だとも感じています。 現在様々な教育課題がある中でそれにアプローチするNPOや学生団体もあります。ビジネスは利益を上げてその利益を次の開発投資に活かす好循環を作れますが、NPOや学生団体だとそのような持続性が無く、中心人物が団体から抜けると活動も萎んでしまうこともあります。ですので、本質的な教育改革にはビジネスとして教育課題を解決する仕組みを構築する必要があると思います。ビジネスは全ての人に均等にサービスを届けるというわけではないので公教育と相容れない部分はありますが、中長期的に学校にアプローチする仕組みを作ることを目標に今はビジネスで届けられる部分から少しずつ広げて行こうと考えています。

――探究サポートとはどのようなサービスですか?

まず、「総合的な探究の時間」というのは、大学の卒業論文のように生徒が自分でテーマを決めて、調査・分析して発表する授業です。ただ、生徒一人ひとりの興味関心に対応するのは先生方も大変なので、生徒の探究テーマとなる分野を学んでいる大学生を繋いでサポートしています。具体的には、似た分野に興味を持つ生徒がグループを組んで、それに対応できそうな大学生をオンライン面談で繋いだり、ちょっとした質問を書き込める場所をオンライン上に作ったりして専門的な知識をカバーできるような運用にしています。

――サービスを通じてどのような価値を届けたいですか?

生徒にとって探究を楽しむことが生きるモチベーションになってくれたら嬉しいです。自分の好きなことが見つけられて、それを知りたいから明日も生きようというような。例えば、自分の推しが新しいCDを出すから明日も頑張ろうと思う人がいるのと同じように、探究が明日を楽しみにする理由になってくれたらいいですね。

あとは、メンターの大学生は研究を楽しんでいる人ばかりなので、その姿を中高生にも見てもらい、勉強がやらされて辛いものではなく楽しいものだと感じて欲しいです。

〈今後の目標〉中高生が生き生きとして、その結果日本全体が元気になる。そんな未来を本気で作りたい

――これからの展望を教えてください

現在探究サポートの導入校が50校程なので、今後もっとサービスを広げていきたいです。オンラインでのサービス提供なので地域も関係なく、今年は沖縄と北海道の高校も導入し始めて地域が拡大した一方で、まだ導入校が少ない地域もあります。まずは1校でも多く困っている学校にサービスを展開していきたいと考えています。

長いスパンでは、放課後支援事業も含めて今は私立しかアプローチできていないので公立への導入に取り組みたいと思っています。サービス導入にはお金がかかるので、何とかならないかと探り中です。

あとは、先生のなり手がいないといった人事的な問題も含めて、学校の抱える問題に対して全部アプローチできるような事業や組織を作れたらいいなと考えています。その先には全国の中高生が生き生きとして、その結果日本全体が元気になる。そんな未来を本気で作りたいですね。

西條さんの1日の業務スケジュール

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