未来教育創造室 探究教育コンテンツディレクターの仕事とは?【トモノカイおしごと事典】
はじめに:コンテンツディレクターが属する未来教育創造室とは?
トモノカイでは「教育の再設計」というビジョンのもと、探究教育やSTEAM教育など新たな教育の分野にチャレンジしています。
社会の変化としても、2022年度から高校では文部科学省の新学習指導要領に沿って、「探究型学習」に重点を置いた授業が実施されます。
しかし、トモノカイでは先生方が理解することや実行することに「今の延長では困難が大きい」と2017年から問題意識を持っておりました。
そのような問題意識から創設されたのが、未来教育創造室です。当室では、国の子どもたちを直接支えるのは先生方であるからこそ、全国の先生方が迷いなく自信を持って生徒たちに探究活動を行えるようにしたい と考え、探究の「教材」を作り、探究学習支援サービスの開発・提供を行っています。
探究教材は現在累計10万名を超える生徒の皆さんにご活用いただいています。
「探究型学習」とは
「探究型学習」とは、単に暗記するだけの勉強法ではなく、「自ら立てた問いの課題を解決するために、情報収集等のプロセスを立てながら解決へと導く能力を育んでいく学習のこと」を指します。
新しい学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」の実現を目標に掲げており、その学習法が「探究型学習」内で取り入れられます。
コンテンツディレクターのミッションは新たな教育コンテンツを作ること
現在の教育は、高校で学んだことを、大学や社会で活かせる場が多くありません。トモノカイではそんなぶつ切りになっている教育を繋ぎ、社会人になってからも活かせる学びを、学校の先生方や自治体・企業と協力しながら提供したいと考えています。
未来教育創造室の目標としても、探究的な学習を通じて、教育の本質的な変革者になることを掲げています。
中でもコンテンツディレクターは、学習指導要領の改定を踏まえて新しい教育に求められる要素を取り入れつつ、生徒自身も主体的に取り組みたくなる教育コンテンツを作ることがミッションです。
従来の座学での勉強のみだと難しい部分も多いため、企業や自治体とコラボしながら、新たなテーマを授業として落とし込んでいます。
チームの体制とコンテンツディレクターの業務内容
未来教育創造室では主に4つのチームに分かれ活動しています。
・教材販売チーム:「一生使える探究のコツ」など探究教材の販売を行う
・教育サービスチーム:探究の教育コンテンツ、イベントの企画・制作を行う
・営業基盤・システムチーム:システムを活用したサービス開発と営業基盤構築
コンテンツディレクターは教育サービスのチームに属し、下記の仕事を行っています。
①ニーズの掘り起こし
先生へのアンケートや有識者との対話で、将来どんな事が求められるかをまず把握します。
また定期的に「探究サミット」というイベントを行い、他校の事例や有識者による探究教育のポイント等を共有しつつ、アンケートにて先生方が何に困っているのかなどをお聞きしています。
今どんな教育をしていて、何が足りないのかという話を聞きつつ、仮説を立てコンテンツの開発に活かしています。
ここでは決めつけないで、しっかりと現場の声を聞くことが大切です。
「こうなんだろうな」という思い込みで判断せず、ファクトをしっかり取りに行くことを心掛けています。
②製品企画・設計
ニーズを掘り起こしたら、具体的に形として落とし込むフェーズになります。
教育的な意味あいと、いかに生徒に関心をもってもらうか、バランスを考えるのが難しいポイントです。
教材であれば、誰に書いていただくのかなども、あらかじめ決めておきます。
そのほかスケジュールや予算など基本的な要件定義を行い、スムーズに制作が進められるよう準備を行います。
③制作・ディレクション
自分で手を動かす部分もありますが、外部の制作チームと一緒にやることが多いため、
ディレクションスキルが重要になります。
デザイナー、監修の大学教授、大学生、企業や自治体の方々を巻き込んで、趣旨を正しく伝え、意図したとおりに動いてもらう必要があります。
ここは、ある程度経験がないと難しい部分ですね。
様々なステークホルダーに対して、それぞれの立場に合わせたコミュニケーションを心掛けています。
文脈を作ったり、読み取ったりと、配慮ができることが必要不可欠です。
④ビジネスとの接続
①②と並行して行います。単なる教材ではなく、新しい教育としてどんな意味があるのか、考えながら設計する必要があります。未来教育創造室が目指す未来の1つが、探究を通じた高大接続です。
高校での探究学習も、大学が成果をみて「良いものだ」とならないと、そこでの評価が進路には繋がりません。
高校から大学への接続も考えて設計する必要があります。
そのため現在、システムチームにてキャリアパレットという探究の成果をデジタルでため込むシステムを開発中です。
学校での探究学習は始まったばかりで答えがあるわけではありません。
仮説を持ちながら一つひとつ試す必要があり、大変ですが面白いポイントでもあります。
⑤現場への浸透
制作した教材やコンテンツをより多くの生徒に使ってもらうため、教材販売チームと一緒に浸透方法について考えていきます。
現在はキャンペーンを企画したり、使い方や特徴を伝えるオンラインセミナーを企画したりしています。共働してくれる学校をみつけて、開発とテストを一緒にやってもらうこともあります。
コンテンツを作って終わりではないというのが、このポジションの特徴です。
実際に使われている現場を見ることができ、きちんと生徒や先生方の反応を作り手として確認できるのが嬉しいポイントです。
コンテンツディレクターの歓迎スキル・マインド
今回の学習指導要領の改定は、日本社会としても明治維新以来の大改革とも言われています。
そんな大改革を担う一員として一緒に働いていただくために、以下のスキル・マインドをお持ちの方を歓迎しています。
■前例を疑うことができる/本質の追及ができる
探究教育を浸透させていくためにも、今までの教材や学校教育という形にとらわれず、前例を疑い新しいものを作る必要があります。
「教科書ってこういうものだから、こうしなきゃね」というような固定観念に捉われず、新たなものを生み出す力がある方を求めています。
とはいえ、前例をただただ壊して新しいものを作れば良いというわけではありません。これから社会で求められる力を育成するという本質を追い求めつつ、新たなサービスやコンテンツの開発をしていく必要があります。
教育的な意味あいと、生徒が楽しむことを両立させることが必要です。
■制作スキル(ニーズを拾い上げ自ら企画をし制作推進できる)
ここは経験者の方のほうがスムーズかと思います。
残念ですが、制作について教育する体制はそんなに充実していないです。自分でどんどん学び、実行する必要があります。
全く違う業界にいたが、次は教育業界という場で、これまで培った制作スキルを活かしたいといった方も歓迎です。
私たちがやろうとしている分野だと、教育業界未経験の方のほうが新たなものが生まれる可能性もありますね。
実際に未来教育創造室のメンバーも、もともとは出版、ゲーム、IT業界などバックグラウンドは様々です。
■明治維新以来の大改革に飛び込みたい人
「探究教育が根付かないと日本は終わる」
そのくらいの気持ちで日々業務に取り組んでいます。
問題解決のために、深く思考しながら情報を調べ分析・整理したり、周囲と意見交換したりすることは、社会人であれば誰しもやっていることですよね?
探究の力は、絶対に必要な力なんです。
このポジションは、そんな社会で求められる力を育む「本質的な教育改革」に携わることができる仕事です。変化を恐れるよりも、楽しめる方のほうが向いているかと思います。
「これで日本が変わるから、必ず成し遂げたい」そんな熱い思いを持った方を歓迎します。
■求めているご経験
・コンテンツの企画制作経験(動画制作等教育系に限らず。中高生向けだと尚可)
・キャリア教育に生かせるご経験(探究を通じて中高生にキャリア教育を行っていくため)
※教育業界でのご経験は問いません
コンテンツディレクターの仕事のやりがいとは?
今回のコンテンツディレクターの職種は、 教育業界の中でも、業界未経験者だからこそ活躍できる数少ない領域だと思います。
従来の科目の教材づくりは、優れた専門家が多いため敷居が高いです。
その点、探究は教育業界の経験が邪魔になることもあります。
教育業界の前例にとらわれず、日々新たなことにチャレンジできるのが楽しいです。
また成果物が、教育の世界と生徒の心に残っていくことにもやりがいを感じます。
一般の企業だと制作チームと営業チームがしっかり分かれていることが多いと思いますが、当社のポジションは、営業活動も一部担うことがあります。
その中で生徒が実際に学校現場で取り組む姿を見ることができます。
実際に「これまでの授業で1番楽しかった」、「また今度もやりたい」という声を聞けることもあり、手ごたえや達成感を感じることができます。
これからも、生徒の人生や思い出に残る教材やコンテンツを作っていければと思います。
コンテンツディレクターのキャリアパス
新規ビジネスとの接続を考えるポジションなので事業開発の視点とスキルを養えるポジションだと思います。
ゆくゆくは新規事業の立ち上げを行っていただいたり、事業責任者へとステップアップしていただく道もあります。
コンテンツディレクターを目指す人へのアドバイス
何事も楽しめるポジティブな方にはうってつけの職種だと思います。
また、教育現場に特に詳しいという人も少ないので、みんな横並びでフラットな関係の雰囲気です。
教育現場の先生すら、探究の進め方については試行錯誤中で、皆同じスタート地点です。
その分可能性が広がっているので、新たなことに挑戦したいという方にとっては、近年まれにみる大きな機会だと思います。
ただ、新規事業開発のため、成功が約束されているわけではありません。
そのなかでも社会を変えていく大改革に飛び込んで、新しい教育を作っていきたいという思いのある方や、何事も楽しめる方のほうがやりがいを感じていただけると思います。
面接では、自分が作りたいコンテンツがどんなものなのかをお聞きすることがあります。
ある程度明確にしていただいた方が、良いかもしれません。
以上、コンテンツディレクターの仕事についての解説でした。