「新規事業で学生と社会をつなぐ架け橋に」トモノカイがビジネスの創出で描く未来とは

トモノカイは自社の強みである25万人もの難関大学生ネットワークを活かし、学生と社会・企業のマッチングを行ってきました。

2021年4月には、損害保険ジャパンさんと提携して学生のアイデア活用による新規事業の創出支援を開始。新たなビジネスモデルを確立するだけでなく、学生の可能性を広げる取り組みを拡大させています。

「就職活動よりも前に、学生が社会と関わり成功体験をもてる機会を生み出すことで“働く楽しさ”を知ってもらえたら」そう語るのは、2005年にトモノカイに入社し、現在は「講師求人部門」及び「学生活用新規事業チーム」の責任者かつ取締役を務める原口。

トモノカイのコア事業を連続して立ち上げ、責任者として推進してきた原口に「既存の事業が堅調な中で、新規事業に注力する意義」を聞きました。

社会貢献ができる事業をつくりたいとトモノカイへ入社

――トモノカイに入社する前の経歴を教えてください。

社会貢献ができる仕事に携わりたく、新卒でアクセンチュアに入社しました。

就職活動中に、社会人の先輩から「お前は町医者になるのとガンの特効薬を開発するのと、どちらがよいか?」と問われて考えたんです。目の前にいる人の笑顔が見たいのか、それとも直に反応はもらえなくても多くの人を救いたいのか。

どちらの仕事もやりがいはあるけれど、私は「より広く多くの人に役立つ仕組みを提供する」側に興味がありました。そこで選んだのがコンサルティング業界です。1年半ほど、大企業向けのプロジェクトを担当しました。

――志望通りの就職先でしたが、転職を決めたきっかけは何でしたか?

私が本当にやりたいことは社会貢献を実現するための「事業づくり」だと思ったのが、大きな理由です。

コンサルタントとして一緒に仕事をするのは、いわゆる大企業と呼ばれる顧客や優秀な同僚たちばかり。自分は、社会のほんの一部にしか関われていないと感じるようになりました。

限られた世界の中でプロジェクトマネジメントをしていくよりも、さらに広く世の中に向けて事業を提供したいと考えたんです。

ちょうどその頃に知人の紹介で代表の徳岡に出会い、社会貢献性の高い「教育」という領域に惹かれて入社を決めました。

学校教育では重視されていなかったにも関わらず、就職活動になると急に「社会で必要なのはコミュニケーション能力だ」なんて言われますよね。日本の教育と社会との断絶を感じていたこともあり、トモノカイで教育の仕組みを変えていきたいと思ったんです。

――転職の動機であった「事業づくり」にはどのように関わってきたのでしょうか。

入社当時のトモノカイはまだ社員が4名しかいなかったため、ほぼすべての事業立ち上げに携わってきました。最初は大学生向けの総合情報サイト「t-news」に登録してくれる大学生を集めるため、各大学でビラ配りもしていましたね。

中でも思い入れがあるのは、塾講師の求人サイト「塾講師ステーション」の立ち上げです。

今ではリブセンスさんの求人情報サイト「マッハバイト(旧、ジョブセンス)」などで主流ですが、実は「採用時成果報酬型」採用お祝い金のビジネスモデルを取り入れたのはトモノカイが初めて。求人情報を掲載する段階で請求するのではなく、採用が成功してから求人企業に後払いしていただくシステムです。

これが当たって、毎年売り上げが倍に増えていきました。スマホもない時代に生み出したWebサービスが、今も多くの人の役に立っているのは純粋に嬉しいですね。

――とても順調に新規事業が伸びていったんですね。

しかし、その裏ではたくさんの失敗がありました。当時、私自身もトモノカイもtoBの営業ノウハウは全くもち合わせていなかったので、何もかもが手探りでしたね。契約の取り交わしや入金サイトの知識もありませんでしたから、ゼロから仕組みをつくっていって。

またマネジメントの経験もなかったので、組織づくりにも苦戦しました。今も試行錯誤の連続です。

新規事業の出発点は「学生の“個”の力を社会に活かせないか」という問いから

――今年4月には新たな事業も始まりました。

はい。損害保険ジャパンさんと提携して、新規事業を検討する企業様に専門知識をもつ大学生を紹介するサービスを始めました。トモノカイが目指すのは、学生が社会で価値発揮できるように企業との橋渡し役になること。

我々がもつ25万人の難関大学生データベースは人数の多さも強みですが、最大の特徴は「個性の強さ」だと考えています。学生の中には、全世界で10人程度しか専門家がいないような分野の研究を行っている人や、ある領域で突出した知識を有している人もいます。

学校の勉強ができなくても、誰もがそれぞれ、その人だからこそ発揮できる価値と可能性を秘めているんです。早い段階で彼らが社会とつながりがもてれば、よい化学反応を起こせるのではないかと思います。

――学生のうちから社会と関わりをもつ意義とは何なのでしょうか?

学校現場での学びだけでなく、自分の“好き”や“得意”で社会に貢献できる体験を得ることも、広い意味での「教育」になると我々は考えています。自分の個性が世の中の役に立つという実感は、学生の仕事観にもポジティブな影響をもたらせるはずです。

――社会との関わりによって、自分の選択肢や可能性が広がっていくんですね。

だからこそトモノカイには、就職活動よりも早い大学1~2年生の段階で、このような機会を提供できるように事業を推進していく使命があります。

新卒の就職活動は「みんながやっているからやらなきゃ」とレールが敷かれている感覚がありますよね。社会へどのように価値提供をしたいかを考え職業選択をすることが本来の目的にも関わらず、手段であるはずの就職活動そのものが目的化してしまう。

内定を勝ち取るための活動だけではなく「自分が何をしてきたか」を語れるかが大事ですが、就職活動がスタートしてからこの事実に気づき、後悔する学生が後を絶ちません。これは日本の教育における課題だと感じています。

「社会とのつながり方がわからない」「コミュニケーションは苦手だけど、誰かの役に立ちたい」と悩む学生と手を取り合って、他の企業とは一線を画すような新たな事業を創出していきたいですね。

さらなる会社の成長と社会貢献のため、未来への投資を

――新規事業を推進する上での課題はありますか?

既存の事業が順調であるほど、組織内の新規事業に対するエネルギーは弱まります。社内を巻き込んでいく難しさにはしばしば直面していますね。

対社外ですと、お客様にトモノカイが手がける事業への固定観念をもたれてしまい、新たなサービスがなかなか響かないケースもあります。

例えば、塾講師の採用支援を行っている予備校様に「生徒の集客もお手伝いします」と提案しても「トモノカイさんは講師求人が強いので、それは他の会社に頼みますから」などと返されてしまうことも。

既存の事業に信頼を寄せていただいているからこその言葉なので、ありがたいことでもあるのですが…。新規事業を受け入れていただく最初の一歩は、やはりハードルが高いと感じます。

――難しさを感じながらも、新規事業に挑戦する理由は何でしょうか。

理由は2つあります。

1つ目は現代社会を取り巻く変化のスピードに適応するため。コロナ禍で生活様式や教育現場の環境も一気に変わりました。2つ目はその変化に加えて、ここ数年で学習指導要領の改定など教育改革の機運も高まっているためです。

未来への投資は、会社の成長と社会貢献には欠かせません。また様々なことに挑戦できる土壌が大いにあるとも言えます。

日本の教育を変えて実現したい社会がある。そんな想いをもつ方と世の中に新しいビジネスを仕掛けていけたら、さらに面白くなるなと思います。